「子供が勉強しない」と悩んでいるなら、子供と勉強について話し合うよう意識してみてください。しかし、下手な聞き方では逆効果。反抗期が始まった子供なら尚更、話をするときにコツがあります。ここでは、子供と話し合う時のポイントをまとめました。
「平成25年度全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究」によると、「子供と将来や進路の話をする」という項目と、子供の学力との関係において、将来や進路の話をする家庭の子はそうでない家庭の子と比べて10ポイント前後テストの正答率が高いという結果がでています。
同様に子供と勉強や成績のことを話し合っている家庭の子供ほど、学力が高い傾向です。親の関心が子供の学習意欲に影響することが分かります。
反抗期の原因は精神的なものだけではありません。成長期の少年少女たちの身体は大人の体になるために絶えず発達しています。一般的に体の変化は小学校高学年辺りから始まり、男の子は声変わりや精通が見られるようになり、女の子は胸が膨らみはじめるでしょう。
これまでの身体とは異なる身体に変化していくことに、子供たちは少なからず戸惑いや不安を感じているもの。その行き場のない感情が身近な大人たちに対する反抗的な態度として表れている可能性が高いです。
第二次反抗期による「心の成長」が影響していることも、反抗期の要因として考えられます。1歳半~3歳ごろまでの時期を指す第一反抗期の次にあるのが第二次反抗期であり、「自立したい!」という気持ちが強まった状態です。
「自分のやりたいようにやる」という自我が芽生え、親や教師など大人たちに言われた言葉に反抗したくなります。自分の考えを持つために必要なステップの一つであり、心が成長している証といえます。
子供たちが関わっているコミュニティが広がることも反抗期の原因の一つです。学年が上がれば、子供たちが所属するコミュニティはクラスだけでなく、部活動やクラブ活動、委員会や習い事など広がっていきます。それに伴い人間関係も複雑になるため、子供たちは大人たちが思っている以上に気を遣って生活を送っているのです。
思春期の子供たちは大人と子供のはざまにあり、繊細な時期の心は些細なことでもストレスになってしまうでしょう。心身の成長は子供たちの意思と関係なく進んでいくもの。自分の意思でどうにもならないことに、子供たちはただでさえストレスを受けているのです。
そのようなタイミングに他者との関わりも増えるため、意見がぶつかったり、反対に意見を言えずに我慢したりなど、さまざまな場面でストレスを抱えることになるのです。
小学生のときに訪れる反抗期は個性が伸びる重要な時期です。幼少期の頃の可愛らしさとは一変、反抗的な態度をとられて悩んでいる保護者の方は多いかもしれません。勉強をしないことを心配したり、育て方が間違っているのではないかと不安になったり、自分を責めてしまう方もいるでしょう。
しかし、反抗期は悪いものではありません。お子さんが自分自身と正面から向き合うための期間です。周りに甘えてばかりではなく、誰かに指示されなくても自分の意思で動ける大人になるための成長過程。子供の個性が伸びる時期でもあり、子供自身が「どうして自分はこうしているのだろう?」と自問自答することで今後社会に出て働く礎を築くことができます。
反抗期の子供の考えを頭ごなしに抑圧するのではなく、一度受け入れてみましょう。反抗期の子供は自分の意見を主張したい時期なので、聞き役に回ってあげるのが適切です。子供の言う内容が論理的でなかったり、甘いなと感じたりしてもグッとこらえてあげるのがポイント。この時期の子供たちの脳は異常と言っても過言ではない状態なので、大人たちが意見をしたところで思い通りにならないことがほとんどです。
言うことを聞いてくれないと悩むのではなく、子供の視点に立って話を聞いてあげましょう。何か頼みごとをしたいときも、「~してくれたら助かる」というように、正論で畳みかけるのではなく柔らかい声掛けを心がけるのが大切です。
「〇〇しなさい」という押しつけ文句を子供に言うのは好ましくありません。反抗期の子供にそのような言い方をすると、言われたことと逆のことをする可能性が高いです。仮に言った通りの行動をとったとしても、嫌々だったり身が入っていなかったりしては不満が溜まっていきます。
そのような事態を防ぐためにも、子供に親が自分の理解者であることを伝えてあげましょう。自分のことを分かってくれていると感じれば、子供も心を開いてくれるはずです。
第三者に介入してもらうのも有効的な手段の一つです。保護者は子供にとって一番近い存在なので、素直に慣れなかったり、つい強がってしまったり、うまくコミュニケーションが取れないことがあります。反抗期はほとんどの人が経験するものであり、すれ違いが起きたとき、悪いのはお子さんでも保護者でもありません。むしろ反抗期は子供が着実に成長している証拠なので、悲観的にならなくて良いでしょう。
親子だけで関係を保つのが難しいと感じる場合は、家庭内だけで解決しようとするのではなく第三者の存在に目を向けてみることをおすすめします。
勉強について話し合った方が良さそうだということは分かりましたが、話し合うときはいくつか注意が必要です。特に反抗期が始まった子供との話し合いは難しい面があるでしょう。聞き方が下手だと話をしなくなるかもしれません。話し合う時の注意点を紹介します。
子供が話をしているとき、何かをしながらの「ながら聞き」はNG。話し始めたら手を止めて、しっかり聞きましょう。忙しいからといって、何かをしながら話をすると、子供は「私の話はどうでもいい話なんだ」と感じます。話を聞きたくないのだと感じてしまえば、話しかけることを諦めるかもしれません。大切な話をしたいときに話せなくなります。親の都合ではなく、子供が話したいときにじっくり話しをさせてあげましょう。
よくある下手な聞き方に「話の腰を折る」というのがあります。相手の話を最後まで聞かずに途中に出てきた言葉を拾って別の話をはじめてしまったり、話の趣旨を理解せず自分の話に変えてしまうなどです。
特に自分が好きなことが出てきたときに、語り始めてしまう人は少なくありません。子供は嫌だったことを話しているのに、自分の思い出話をしてしまっていませんか。嫌だと感じた話をしているなら、何が嫌だったのかを掘り下げて聞く、嫌な思いに共感する、誤解がありそうなポイントを教えるなど、子供の心に伝わる話はいくつもあります。
子供の話を最後まで聞いて、子供が何を伝えたいのかを受け取った上で返答するように心がけてください。
子供を否定しないことも大切です。大人から見てツッコみたくなるような話でも、まずは肯定しましょう。話すことに「でも」「だけど」「そうはいっても」のように否定的なことを言われてしまうと、話をしたくなくなるのは、大人も子供も同じです。教育のために間違えた認識をすぐ否定してしまいたくなるかもしれませんが、まずは肯定、共感から会話を始めましょう。
会話において、相槌はとても大切です。相槌があると、とても気持ち良く話ができます。黙って聞くのではなく、適切に相槌を打ちながら聞きましょう。
また、相手の言葉をそのまま繰り返す「オウム返し」という方法もあります。ポイントは相手の言葉を言い換えないことです。子供が使う言葉をそのまま返すことで共感してもらえたと感じられます。言い換えてしまうと、ニュアンスが微妙に変わってしまい「伝わらない」と感じてしまうこともあるので、同じ言葉を繰り返すのがおすすめです。
ただし、オウム返しは頻度によって嫌味になります。子供が話した結論部分だけをオウム返しすると「聞いてもらえている」「共感してくれている」と思え、たくさん話してくれるでしょう。
質問を入れるのも、気持ちよく話をしてもらうコツです。質問内容は、親が聞きたいことではなく、子供が話したそうなことを選びましょう。つい自分が確認したいことを聞いてしまいがちですが、子供が何を話したがっているのか先回りして感じ取り、話したいことをスムーズに話せるよう流れを作ってあげるのが、上手な質問です。
ミラーリング効果とは、相手のしぐさや動作を鏡のように真似すると好意を持つというもの。自分と似た人に好意を持つ人間の特性を使った心理テクニックです。
たとえば、「相手がお茶を飲んだら自分もお茶を飲む」「相手が鼻を触ったら自分も鼻を触る」「相手が暗い顔をしたら自分も暗い顔をする」など。表情の真似は、共感を伝える事にもなるのでやりやすいかもしれません。
ただ、真似が露骨だと、不愉快になってしまうこともあります。「相手が鼻を触ったら自分は眼鏡を上げる」など、同じではないものの似た仕草をする「クロスオーバーミラーリング」という方法があるので活用してみてください。
中学生が考える進路のひとつに高校の選択があります。高校を考える時、将来のことを考えて選ぶ中学生は少ないかもしれません。しかし、将来の目標を見据えて高校を選べるのであればそれは素晴らしいことと言えるでしょう。
親と積極的に話をすることで、親の仕事に興味を持ち、将来の目標に影響することもあります。自分の長所を見つけることにもつながるかもしれません。進路や将来について、具体的な目標が持てると、より勉強の意欲も向上します。
将来の話をするとき、注意するべきポイントがあります。過度なプレッシャーを与えないことです。
成績が優秀な子供との比較はNG。特に兄弟がいる場合は注意してください。また、親自身との比較もしてはいけません。親の学歴を持ち出すのもNGです。親の学歴に興味がある子供はほとんどいないでしょう。
中学生は、まだやりたいことが明確ではないことがほとんどです。親がプレッシャーを与えないよう気を付けてください。
また、子供の希望と現状の学力にギャップがある場合でも、テストの結果や通信簿を出すのもやめましょう。ギャップの把握は必要ですが、将来の話をしているときに持ち出すと、せっかく目標が見えたのに実現する方法を考える前に諦めてしまうことにつながります。
親は子供の目標に合わせて学習環境を整えるサポートに徹してください。
なかなか話をしてくれない子供には、話しやすい環境を作ることも大切です。たとえば、一緒にジョギングをしているうちに何気ない話をするようになることもあります。子供に趣味があれば、その趣味に親が興味を示すのもいいでしょう。
質問攻めにして話をさせようとするよりも、何気なく話ができる環境に身を置く方がずっと話をしやすいものです。「子供が楽しいと思える話題を振ってみる」「子供の話は手を止めて聞く」「外に出かけて解放感がある環境を作る」などの工夫をしてみると、子供も話しやすくなります。
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