勉強が好きという子より、勉強は嫌いという子の割合の方が多いのではないでしょうか。では、なぜ子どもは勉強嫌いになるのでしょうか。その原因を探り、勉強嫌いの克服の仕方を見ていきましょう。保護者も意識することで徐々に子どもの勉強嫌いを、勉強は楽しいに変えていきましょう。
勉強に限ったことではありませんが、やり方やコツがわからなければ、楽しく意欲的に勉強に取り組むことができません。スポーツでも、一度コツをつかむと、後は教えられなくても自分でトレーニングして上達していきますが、逆にコツが分からないままだと上達するのは難しく、モチベーションも下がってしまいます。
勉強も同様です。基本的なやり方やコツが分からなければ、学習意欲を失ってしまいかねません。反対に、効率的に学ぶための方法や大事なポイントが分かれば、難しい単元でも苦手を克服しながら、徐々に理解が得られるようになります。
子どもの勉強は、少しずつ自信をつけさせながら伸ばしていくことが大切です。自信をつけさせる方法は、テストで良い点を取ることですが、ここで結果が出せないと、子どもは自信をつけることができず勉強嫌いになる可能性があります。
子どもに勉強をさせるのは長期的な戦いになりますから、その戦いを最後まで続けて成長するためには、その過程で行われるテストで結果を出すことが大切です。
結果が全てではありませんが、結果を出すことによって自信がつき、その後の学習がスムーズに進むケースが多いことを知っておくべきでしょう。
中学生になると子どもは思春期に入り、部活をはじめるようにもなり、小学生の頃と比べて忙しくなって、心身共に余裕がなくなってしまうケースがあります。そうした中で、勉強に身が入らなくなり(あるいは集中力が保てず)、学習する楽しさを覚えられず、勉強嫌いになってしまう可能性があります。
いくら先生が上手に教えても、勉強する生徒の心身に余裕がなければ、学習効果以前の問題として、そもそも生徒は勉強に向かう気持ちを持つことができないでしょう。
そのため子どもに効率よく勉強させるためには、子どもが余裕を持てるように心身のケアを図ることも重要になってきます。
これも勉強に限ったことではありませんが、何かをやろうとするとき、目的や動機が明確でなければ、それに対して意欲的に取り組むことはできません。
野球選手なら「ホームラン王になる」、サッカー選手なら「得点王になる」といったように、目的を設定することで動機が生まれ、それを達成するために頑張ろうとするのです。
勉強の場合も、目的なしに「頑張り続ける」ことは難しいので、何のために勉強するのか?という目標や動機づけを持つことが大事になります。
中学校までは義務教育で進んでいきますが、中学3年生になると高校受験が待っています。勉強が嫌いなまま進学すると、嫌だけどテストがあるから、受験があるからという理由で無理矢理勉強している状態となり、学習効率が悪くなります。
学習効率が悪いと、勉強している「つもり」なのに、一向に成績が上がらないということとなり、ますます勉強を苦手に感じてしまうことも。
社会に出ても仕事内容を覚えたり、資格の取得をしたりと、勉強は今後も必要です。勉強することは、最終的には自分の可能性を拡げるために必要なことと自覚し、早いうちから勉強嫌いを克服することが大切です。
親が子どもを励ますために声を掛けるのは良いことですが、以下のように、子供の勉強嫌いを加速させてしまうNGな声掛けがあることにも注意してください。
親が子どもに勉強させたいと思うあまり、「早く勉強しなさい」「今すぐ宿題やりなさい」などと命令口調で声を掛けるのはNGです。
命令口調は子どもに大きな圧力を感じさせることになり、学習意欲が増すどころか、かえって反発してモチベーションを削いでしまう可能性があります。
そのため、「テレビも見なきゃいけないことだし、先に勉強終わらせとこうよ!」と提案型の口調で声を掛けるのが良いでしょう。
「ちゃんと勉強しとかないとね、将来こうなっちゃうわよ!」と、子どもに恐怖心を与えることで動かそうとするのもNGです。
脅し文句は子どもに危機感を覚えさせるのには有効ですが、同時に不快感を与えることにもなり、勉強する意欲を失わせてしまう可能性があります。
危険やリスクを知らせることは大事なことですが、脅し文句を使用するのは避けたほうがいいでしょう。
ダイレクトな命令口調ではありませんが、「〇〇君を見習ってあなたも少しは勉強しなさいよ」とクラスメートを引き合いに出す声掛けもNGです。
子どもは誰かと比較されることでプレッシャーを感じたり、不快感を覚えたりするため、このような声掛けはかえって逆効果となります。
誰かと比較するより、子どもの特質に合わせて勉強する目的や目標を与えてあげることが重要です。
子どもの勉強嫌いを好き・楽しいという方向へ持っていくのは簡単なことではありません。しかし、将来のためにも、早い段階で勉強は楽しいと気づき、苦手意識をなくすことが重要です。勉強嫌い克服の仕方を紹介します。
勉強が苦手と思っている子に、いきなり長時間の勉強を押しつけると、さらに嫌になる可能性があります。
まずは1日1分でもいいので、勉強することを始めてみましょう。時間だけでなく、1日プリント1枚、それでも多いようなら5問でも1問でもやってみましょう。
ここでは学習習慣を身につけることが目的なので、勉強時間や量ではなく「勉強した」という事実を毎日続けることが大切です。学習習慣がつけば、勉強の量を増やすのは難しくないでしょう。
子どもが「もう少しやりたい」と思うようになってきたら、そこで終了させるのもコツです。
人は他者に決められたことには意欲が出ません。逆に、自分で決めたことなら自発的に取り組もうとします。
いつ勉強するかは子どもが自分で決めるようにしましょう。1週間の学習時間を前もって計画したり、毎日この時間になったら勉強すると決めたりすると、より効果的です。
もし自分で決めた時間になっても勉強しないのであれば、「今日は何時から勉強するの?」などと、穏やかに声かけしてみましょう。
脳科学的に、ルーティンを行うとやる気やモチベーションに関係なく、それをするモードになる効果があると言われています。
ルーティンとは、ラグビー日本代表の五郎丸選手がボールを蹴る前にする「五郎丸ポーズ」や、元大リーガーのイチロー選手がバッターボックスで行うバットを立ててピッチャーへ向ける動作などが、有名。
ルーティンを行い、「嫌だな」という雑念を払い、やる気のあるなしに関わらず勉強モードに入りやすくなる流れを作ってみることも良いかもしれません。
子どもの場合は、机の上を整頓する、腹筋を10回するなど、2〜3分で簡単にやれることをルーティンにしてみましょう。
ただでさえ勉強に苦手意識があるのに、苦手な教科から勉強しようとすると、さらに嫌な気持ちが増してしまいます。
まずは得意分野から勉強することで、気分も乗り、集中力も継続しやすくなるでしょう。
得意科目で結果が出るようになれば、「やれば勉強ができる」という自己肯定感が高まり、勉強嫌いの克服に繋がっていくでしょう。
勉強というのは、どの教科であっても「前にやったことがわかった前提」で先に進んでいきます。わからないことがあるのに、そこに新しい知識を上乗せしても、十分に理解できないままになってしまうのです。
学校の学習についていくことも大切ではありますが、ひとまず原点に立ち戻って、基礎から勉強してみましょう。本当の意味で基礎が理解できるようになってくると、授業の内容や新しいことでもわかるようになってきます。「わかる・できる」は、勉強を楽しくするための近道です。
子どもの勉強嫌いを克服するには、保護者の意識や対応を変えることも大切です。そもそも親が勉強嫌いの原因ということもあるため、まずは親から対応や意識を変えていけば、子どもも応えやすくなるでしょう。
紹介してきた克服法を実行しても、勉強が習慣化するにはある程度の時間がかかります。しかし、ここで保護者がまた「勉強しなさい」を連発すると、子どもは勉強嫌いに逆戻り。
やりたくないという抵抗心が生まれ、勉強しないままになってしまいます。
勉強しないから言わざるを得ないと思うかもしれませんが、グッとこらえて雑談をしてみましょう。親子間の信頼関係ができれば、わからないことがあれば親に勉強を教えてと子どもの方から言ってくれるようになるでしょう。
人は誰でも承認欲求があり、褒められると嬉しいものです。そして、もっと褒められたいと思うようになります。
勉強嫌いな子には、ほんの少しでも勉強したらほめるようにしましょう。ほめられると脳が気持ちいいと感じるため、勉強をするモチベーションにもつながるでしょう。
ただし、「テストで20点も上がってすごいな」「頭良くなったね」など、成績や素質をほめるのではなく、勉強に関する「行動」をほめるようにしましょう。例えば、「今日は10分も勉強したね」「5問もやったんだ!」などです。
さらには、毎回ほめるのではなく、10回のうち5〜7回程度の頻度にすると、慣れることなくモチベーションも継続しやすくなるでしょう。
勉強は高校・大学への進学や就職、そして仕事に就いてからと、今後も必要になってくる場面があるでしょう。勉強嫌いのままだと、苦痛が増すばかりか自分の将来を自ら狭めてしまうことにもなりかねません。
勉強は自分の夢や可能性を拡げてくれる楽しいもの。少しの心がけやきっかけで克服につながるものなので、今日からやってみましょう。
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